"Luha Sa Disyerto" is the title of this short film.
We finished shooting this morning, at last.
A lot of unexpected things happened in this shooting.
But all of them will be something good for us.
Maybe.
Joy who is main actress this movie went back to her home North Cemetery.
I'll go back to my home Tokyo, tomorrow.
See you again, Joy.
Ciao.
場所はMalate Churchの前。
僕とコーキの住むアパートからほど近い、馴染みの場所。
最後のカットは道を歩く人達。
スタッフもエキストラとして参加した。
監督の長谷井宏紀がカットの声をかけると、ほっとした顔をしてスタッフ同士、軽い握手を交わした。
撮影も過酷を極めると、撮影後の高揚や感動はさほど無いらしい。
みな重たい身体を引きずるように帰っていった。
何人かで一杯くらいビールを飲もうという話になったが、僕は撮影素材の入ったCFカードを持ち帰りパソコンへコピーしてから行くことにした。
待ち時間の間にシャワーで汗を流そうと思ったが、データの容量を見て凍りついた。
32ギガのCFカードの中に3ギガしかデータが入っていない。
昼から翌朝方まで撮影をし続けたので、そんなはずはない。
ほぼ満タンになっているはず。
しかし何処をどう見ても3ギガしかデータが入ってないし、素材を確認したら昼間に撮ったものしか残っていない。
ありえへん。ほんまありえへん。
監督の長谷井宏紀、プロデューサーのFlaminio、撮影部を呼び確認。
2カメ体制で撮影していたのだが1台のカメラのデータがほぼ無くなっている。
なんで?
最終日に待っていたとんでもない悪夢。
いや、悪夢ならいつかは目覚めるからまだまし。
この現実は。。。
とりあえずデータ復旧に希望を託し解散。
監督の長谷井宏紀は何とか平常心を保とうと努め、ドアをおもいっきり蹴飛ばしただけで眠りについた。
身体はどっぷりと疲れているはずなのに全く眠たくならない。
空が明るくなる頃ようやく睡魔が訪れた。
10時を少し回った頃、ラインプロデューサーのAvaからの電話で目が覚めた。
今、データの復旧ができたか確認中だとのこと。
僕とコーキは再撮影の事を考え話し合っていた。
明日、28日が帰国予定日。
しかしながら再撮影となると帰るわけにもいかない。
大切な友達の結婚式が控えているとは言え、この作品をほっぽり出して帰るなんて考えられない。
とは言え、予算ももうとっくに底をついている。
さて、どうしたもんか。
やっぱり帰ろうか、いや、帰るまいか。
途方にくれていたところに再び着信。
どうやらデータ復旧が成功し、素材がハードディスクにコピーできたとのこと。
しかし電話を切ってもまだ安心しきれなかった。
自分の目で確認するまでは。
コーキとコーヒーを飲みながら部屋の片付けを始める。
何かしていないと落ち着かない。
Flaminioと撮影監督のMicheleが合流。
そしてスタッフのIvyがデータの入ったハードディスクを持ってやってきた。
早速確認。
みんな無言のまま。。。
一つ一つ素材を見ていく。
全部で143カット。
データ容量31ギガ。
どうやら全部揃っている。
そこでようやく胸を撫で下ろし、肩をたたきあった。
ホンマにこの世界のどこかに神様がいるとして、今回の撮影の色んな出来事がその神様の匙加減やとする。
ありえへんことがいっぱい起こったが、とは言え終わってしまえば一つの笑い話のようなもの。
でもこの最終日の一件だけは全く腑に落ちひん。
何のためにデータを消したんか、んで、消したわりにはなんで結構簡単に修復できたんか。
どうせなら再撮影になってしまったほうがまだ納得ができる。
ホンマに完全に人の気持を弄んでいるとしか思えん。
誰も得をしないこの遊び。
この神様はかなりタチが悪い。
でもきっとこの事も後々の何かに繋がっていくんやろう。
怒涛の撮影がようやく終了し、明日日本に帰る。
マニラでの日々は日本にいては到底経験できないことで満ち溢れていた。
中でもここで出会った数多くの子供達の笑顔は特別なものやった。
彼らの底抜けに明るい笑顔と笑い声にまた会いに帰って来たいと思う。
2012.01.27